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腸チフス

腸チフスについて知っておきたいこと

腸チフスの基本的な説明

東京都感染症情報センター

「腸」チフスという名前から下痢症状を想像する方も多いと思いますが、必ずしも感染した方みなさんが下痢をするわけではありません。
診断のきっかけになるのは「発熱」です。
医師が"持続する発熱の原因"を考えて、感染症診療で重要な「培養(ばいよう)検査」を出してはじめてこの「菌」がいることがわかります。血液や便を調べる検査です。

菌を持っている人を「保菌者(ほきんしゃ)」といいます。菌を持っている人全員が必ずしも発熱などの症状が出るわけではありません。

腸チフスは、感染したヒトの便や尿に汚染された水、氷、食べものを取ることによって移ります。ごく少量の菌によって感染することもあるので、手洗い等感染予防が重要です。

食事の前、食事を作る前には手を洗いましょう。

  • 治療:抗菌薬で治療をします。菌に効果があるかどうかの確認・選択も重要です。
  • 予防:手洗いのほか、予防ワクチンがあります(国内は未承認の輸入ワクチンです)。

当院のトラベルクリニックで接種が可能です。
流行地へ行く、曝露リスクが予想される、等の場合は出発前にかかりつけ医師やトラベルクリニックでご相談ください。

参考

関連情報

米国は食品由来感染症の迅速把握、病原体の情報のデータベース化が進んでいます。

  •  ペットのはりねずみ関連(12州26症例、死亡1、入院1)
    Multistate Outbreak of Human Salmonella Typhimurium Infections Linked to Pet Hedgehogs (Final Update)

デンマーク

患者情報とデーターベースから把握された豚→ヒトへの広がり
A regional outbreak of S. Typhimurium in Denmark and identification of the source using MLVA typing.

 ロシア

複数地域での病院での広がり
Multiple Outbreaks of Nosocomial Salmonellosis in Russia and Belarus Caused by a Single Clone of Salmonella enterica Serovar Typhimurium Producing an Extended-Spectrum β-Lactamase

 トルコ

新生児ユニットでの院内感染
Salmonella typhimurium outbreak in a neonatal unit in Turkey

「腸チフス防疫対策実施要綱」(昭和41 年11 月、衛発788 号「腸チフス対策の推進について」)に基づいて感染経路等の疫学解析と患者の把握のために、日本国内で分離されたチフス菌、パラチフスA菌は国立感染症研究所細菌第一部に送付することとされている。国立感染症研究所細菌第一部では、送付された菌のファージ型別を行い、疫学情報としてファージ型別の結果を整理し各地方衛生研究所、保健所に情報を提供している。

http://www.nih.go.jp/niid/images/lab-manual/paratyphoid_2012.pdf